病気一覧
ア行
・アトピー性皮膚炎(あとぴーせいひふえん)…ハウスダストや草などが原因でアレルギーが起こり発疹、フ ケなどが出やすい病気。塗り薬や飲み薬、食事療法などでの治療が必要。
早期発見・予防:頻繁に体をかいたり、湿疹がみられたら要注意です。予防は難しく、シャンプーで清 潔にしてあげましょう。
・胃捻転(いねんてん)…胃がねじれて臓器や血管を圧迫、血液が全身に回らなくなる病気。早急な手術が必 要になります。
早期発見・予防:呼吸困難や嘔吐がみられたら病院へ。食後すぐに運動させない事が予防にもなりま す。
・会陰ヘルニア(えいんへるにあ)…肛門周り(会陰部)から腸や膀胱などの臓器が出っ張る病気。手術が必 要。
早期発見・予防:肛門周りが盛り上がり、排泄時にしぶりがみられたら病院へ。去勢手術していないオ ス犬に多くみられるので去勢手術が予防になることもあります。
カ行
・外耳炎(がいじえん)…耳アカに細菌が繁殖したり、ダニが寄生するなどで起こる耳の外耳道とよばれると ころの炎症。塗り薬や飲み薬、耳洗浄で治療。
早期発見・予防:耳が臭い、犬が頻繁に掻いたり、頭を何度も振っていたら要注意です。適切なケアで 予防しましょう。
・肩関節不安定症(かたかんせつふあんていしょう)…原因は不明ですが、肩関節の靭帯が緩みやすく。歩く たびに激しい痛みを生じる肩関節の病気。関節鏡(内視鏡)で損傷部位を特定し、適切な手術で歩けるよう になる事もあります。
早期発見・予防:予防法はなく、いつもと違う歩き方をしたり、散歩に行きたがらなくなったら病院 へ。
・気管虚脱(きかんきょだつ)…気管がつぶれて呼吸の為の空気がうまく通らなくなる病気。ガーガーとい う大きな呼吸音とともに咳も増え、呼吸困難になることも。
早期発見・予防:生まれつきの事が多く予防は困難。肥満気味の子は痩せさせると気管の周りの脂肪が 少なくなり症状が緩和されることもあります。
・甲状腺癌(こうじょうせんがん)…のどにある甲状腺が腫瘍化して腫れる病気。腫瘍が大きくなると気管が 圧迫されて呼吸が苦しくなる。悪性で進行が早い事も多く、早期に発見し手術することが望まれます。
早期発見・予防:予防法はなく、のどのあたりに腫れがみられたり、呼吸が荒くなったり、食後すぐに 嘔吐するようになったら病院で超音波検査を。
・甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)…体の働きを活発にする甲状腺ホルモンが少なく なる事で、脱毛がみられたり体力がなくなったり腹部などが黒ずむようになる病気。薬で治療します。
早期発見・予防:予防は困難。定期的に血液検査を。脱毛がみられ、動きが鈍くなったら病院へ。
・肛門周囲腺腫(こうもんしゅういせんしゅ)…肛門の周囲にイボのような腫瘍ができる病気。去勢手術をし ていないオス犬に多くみられ、男性ホルモンが関係しているとも言われます。手術で除去します。
早期発見・予防:肛門の周りにイボがないか定期的にチェックをしてあげてください。去勢手術が予防 になります。
・股関節形成不全症(こかんせつけいせふぜんしょう)…生まれつき股関節の発育がうまくいかないため、股 関節がゆるんだり、外れやすくなる病気。大型犬に多い。骨の一部を取り除いたり、人工関節を用いた 手術などで治療。
早期発見・予防:腰を振るような歩き方などは要注意。体重管理や過剰な栄養を与えない事が予防にも なります。
・骨軟骨症(こつなんこつしょう)…肩、ひじ、ひざ、かかとなど、関節の先端についている軟骨の形成が生 まれつき弱く、歩くたびに痛みを生じる病気。骨の発育期に多くみられます。手術や薬で治療。
早期発見・予防:予防は出来ませんが片足だけかばうなど、いつもと違う歩き方をしていたら病院へ。
サ行
・耳血腫(じけっしゅ)…耳の中の血管が破れ、皮膚と軟骨の間に血液が溜まって膨らむ病気。アトピー性皮 膚炎やアレルギー体質の犬がなりやすい。手術や薬での治療が必要です。
早期発見・予防:耳をしきりにかいたり、耳の中にできものがみられたら病院へ。適切な耳のケアをし ましょう。
・膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)…小型犬に多くみられる病気。生まれつき膝関節がはずれやすい構 造の犬に起こりやすい。軽度のケースから、手術が必要な重度のケースまであり個体差が大きい。
早期発見・予防:片足だけ地面に付けない歩き方は要注意です!肥満や椅子に飛び乗るなどを控えて予 防してあげて下さい。
・腫瘍性の病気(しゅようせいのびょうき)…細胞が異常増殖し膨らむ事などで出来る腫瘍の病気。リンパ腫 や線維肉腫などが多い。腫瘍には悪性と良性があり悪性は癌や肉腫ともいわれ手術や投薬治療が必要。
早期発見・予防:予防はありません。犬の体を触っていて発疹や腫れ、ふくらみなどがないかよく観察 してあげてください。
・脂漏症(しろうしょう)…毛穴にある皮脂腺の働きが活発になり、皮膚が脂っぽくなる病気。皮脂に細菌な どが感染しやすく、かゆみを伴って脂漏性皮膚炎も併発しやすい。薬で治療。
早期発見・予防:皮膚が脂っぽい場合は疑いあり。抗脂漏性のシャンプーで清潔を保つ事で悪化予防し ましょう。
・進行性網膜萎縮(しんこうせいもうまくいしゅく)…遺伝性の目の病気。重傷化すると失明する恐れも。夜 のお散歩でよくぶつかるなどの夜盲症の症状が現れたら、早めに点眼薬での治療を行うようにしましょ う。
早期発見・予防:遺伝的疾患なので予防は困難。若いうちから定期的に目の検診を受けて早期発見しま しょう。
・水晶体脱臼(すいしょうたいだっきゅう)…目の水晶体の位置がずれる病気。緑内障やブドウ膜炎といった 合併症が目の中になければ視力に影響がなく、治療の必要がない場合も。ボーダーコリーに自然発症し やすいです。
早期発見・予防:予防法はありませんが、白内障にかかった犬になりやすいので、定期的に眼科検診を 受けて下さい。
・水頭症(すいとうしょう)…脳の中にある液体、脳脊髄液が脳内に異常にたまってしまい起こる病気。生ま れつきのケースが多く体の大きさに対し頭蓋骨が大きい犬種にみられやすい。投薬などで治療。
早期発見・予防:歩行でふらついたり痙攣することも。予防は困難です。治療の必要がない場合もあり ます。
・前肢骨折(ぜんしこっせつ)…体格の割に肩から足先までの骨が長い犬がかかりやすい前肢の骨折。成長 過程の犬は骨がやわらかく、とくに1歳未満の犬は要注意。折れた骨を手術で治療することも。
早期発見・予防:足が曲がり着地できないなどのそぶりで気づいて下さい。ソファや高所からの飛び降 りも注意して下さい。
・僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)…心臓で血流の調整をしている僧帽弁の機能が弱ま り、弁の開閉が鈍くなる病気。症状が進むと心不全などの合併症が現れます。遺伝的な要因から多くの キャバリアはこの病気にかかるとされています。薬で治療。
早期発見・予防:咳が頻繁に出て、散歩時に座り込むなど、体力の消耗がみられたら病院へ。心不全を 起こさないよう、早めの治療が大切です。
タ行
・椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)…背骨の脊椎と脊椎を繋ぐクッションの役割をしている椎間板が つぶれ、飛び出る病気。激しい痛みを伴い投薬や手術での治療が必要。
早期発見・予防:歩行にふらつき等がみられたら要注意!予防のため高所からの飛び降りなどは控える といいでしょう。
・蛋白漏出性腸症(たんぱくろうしゅつせいちょうしょう)…血液の中に含まれているタンパク質が腸から失 われていく病気です。栄養がとりにくくなるので、痩せて下痢気味になります。薬で治療。
早期発見・予防:下痢が続いたら病院へ。予防法はなく、血液検査や検便を定期的に受けて下さい。
・てんかん…脳の神経伝達に異常が起こる事で発症。体や足が痙攣し、口から泡をふくことも。症状が治 まるとふだんどおりになりますが、重症化すると命の危険もあります。おもに薬で治療。
早期発見・予防:予防が困難。症状が見られた犬は定期的に通院し、精密検査や治療をしましょう。
・糖尿病(とうにょうびょう)…膵臓から分泌される血糖値を下げるインスリンというホルモンが減少し、血 液中の血糖値が高い状態が続く病気。注射などの治療を怠ると白内障などの合併症も起こる。
早期発見・予防:水をたくさん飲む、食べてもやせるなどは要注意。肥満にさせない食事管理が予防に もなります。
・ドライアイ…涙の量が減少する為に起こる角膜と結膜の炎症。乾性角結膜炎ともいいます。治療せずに 放置していると失明する恐れも。おもに点眼薬で治療します。
早期発見・予防:目やにが増えたら病院へ。眼に毛が入らないように周りの毛を短くカットすると予防 になります。
・軟膏蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)…軟膏蓋(口の中の上側の壁)が厚くなり過長し、呼吸困難 になる病気。短頭腫全般に多くみられ、過剰に厚い場合は手術が必要に。
早期発見・予防:生まれつきの犬が多く予防は困難。音のある苦しそうな呼吸や、紫色の舌になってい ないかよく観察してあげてください。
・乳歯遺残(にゅうしいざん)…生後6ヶ月頃までに永久歯が生え変わらず乳歯が残る病気。乳歯の脇から永 久歯が生えてきて二枚歯になることも。生後1年経っても乳歯が抜けない場合は抜歯が必要。
早期発見・予防:予防は困難。歯を定期的にチェックし、同じ位置に2つの歯が生えていたらご相談くだ さい。
・尿石症(にょうせきしょう)…腎臓、尿管、膀胱に結石ができたり、溜まる事で起こる病気。膀胱炎や尿道 閉塞と言った合併症を引き起こすことも。排尿時に痛みを伴う。手術や薬、食事療法で治療。
早期発見・予防:尿のPHがコントロールされている処方食を食べさせるといいでしょう。血尿がみられ たり、排尿の時に痛がるそぶりをみせたら病院へ。
・膿皮症(のうひしょう)…細菌や酵母菌の一種が皮膚に増殖して起きる皮膚炎。膿を伴う発疹ができ、かゆ みが生じます。抗生物質での治療が必要で一度かかると再発しやすい。
早期発見・予防:しきりに体をかき発疹がみられたら病院へ。定期的にシャンプーし体を清潔に保って 予防しましょう。
ハ行
・白内障(はくないしょう)…目の水晶体が白く濁り、視力が低下する病気。速い段階で治療を始めれば点眼 薬などで病気の進行を抑えられる可能性も。
早期発見・予防:歩き方の変化や瞳の濁りで気づいて下さい。予防は難しく定期的な眼の検査を受ける といいでしょう。
・パターン脱毛…左右対称に被毛が少なくなっていき、やがて完全に脱毛してしまう病気です。脱毛が進 行するにつれて皮膚が黒ずんだり、フケが目立つようになる事もあります。
早期発見・予防:有効な治療法と予防はなく、薬が効く体質の犬は投薬で治療。異常な脱毛で気づいて 下さい。
・半側脊椎(はんそくせきつい)…脊椎の形が生まれつき変形している病気。立てなくなったり後ろ足のふら つきがみられます。治療が必要な場合も。
早期発見・予防:予防は困難。突然立てなくなったり、ふらつきのある歩行をしていたら要注意。
・肘関節形成不全(ひじかんせつけいせいふぜん)…遺伝的に肘関節の形成が上手く行かない為、歩くたびに 骨と骨が擦れて炎症を起こし痛みを生じる病気。肘関節の変形が緩みがみられ30kgを超える大型犬に多 い。手術で治療。
早期発見・予防:生まれつきの病気のため、予防法はありません。歩いている途中で座り込んだり、階 段を下りられなくなったり、散歩を嫌がるようになったら病院へ。
・皮脂腺腫(ひしせんしゅ)…毛穴にある皮脂腺にできる腫瘍。進行すると皮膚がただれることも。
早期発見・予防:皮膚の赤みや腫れ、ただれなどがないかよく観察してあげてください。明確な予防法 はありません。
・肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)…血中を流れる肥満細胞が増殖し腫瘍ができる病気です。皮膚にできや すい。早期に発見し、すみやかに手術などで治療をすることが望まれます。
早期発見・予防:予防法はなく、犬のおなかや、太もも、脇などに腫れやイボがみられたら病院へ。
・鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)…目から鼻に抜ける管が詰まりやすい体質の犬になりやすい病気。目周 りの被毛が涙の成分に反応し、涙やけになって赤茶色に変色する事も。
早期発見・予防:涙が多くみられ目の周りがいつも湿っていたり赤茶色に変色していたらご相談くださ い。涙の多い犬は目の周りをこまめに拭いて涙やけの変色予防を。
マ行
・門脈体循環シャント(もんみゃくたいじゅんかん)…肝臓に血液を運ぶという血管の異常で起こる病気。血 液中の毒素が処理されずさまざまな問題を起こします。手術や薬で治療。
早期発見・予防:予防は難しく、発育不良や体重の減少がみられたら病院へ。血液検査が有効なことも あります。
・溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)…赤血球が壊れて貧血や黄疸などが起こる病気。オシッコがいつもよ り黄色くなります。飲み薬での長期にわたる治療が必要。
早期発見・予防:疲れやすく、息切れするなどの症状を見逃さないで下さい。予防は困難です。定期的 に血液検査をしてあげるといいでしょう。
ラ行
・リウマチ様関節炎…免疫が関係する病気の一つ。関節に炎症を起こす病気。軟骨の深い部分まで炎症が 広がり、さらには4本の足全体に影響する事も。早期発見し薬などで治療する事が大切です。
早期発見・予防:予防は難しく歩行しなくなったり、足先などを触り関節の変形がみられたら病院へ。
・レッグペルテス…大腿骨の先端にある骨の血液供給が上手くいかずに骨が壊死する病気。小型犬全般、 とくに1歳以下の若い犬に多い。手術や投薬などで治療します。
早期発見・予防:予防は困難。後ろ足を引きずっていたり、足を触ると痛がるそぶりなどで気づいて下 さい。